てらさんそらくん２１

ソラ君「今日は人生における最大の壁を乗り越えました」
テラさん「ほう。それは一体何なんだい？」
ソラ君「当然。血液検査ですよ」
テラさん「……なんてしょぼい人生を送っているんだい、君は？」
ソラ君「ばっか、舐めないで頂きたい。血液検査ほど恐ろしいことはそうは世の中ありませんよ。なんたって、三人に一人はショック死するし、逃げ出せば後ろから撃ち殺されますからね。何て怖いんだ。まったく」
テラさん「なにそれ？　どこの宗教」
ソラ君「いやまあ、ちょっとばかりおおげさに言ってしまいましたが、ぶっちゃけ、血液検査だけはトラウマなんですよね」
テラさん「なんか子供の頃にあったの？」
ソラ君「ええ、ちょっとした血液検査だったんですが、研修医のくそやろうが、三十回以上失敗してくれましたからね、右手のみならず左手までも血塗れですよ。本気で痛かった」
テラさん「看護師さんにかわって貰えばいいじゃない」
ソラ君「ええ。言いましたよ。何度も何度も。看護師さんも何度も変わるっていっていましたよ。でも、あのくずやろうがかわらないんですよ。まじで」
テラさん「……」
ソラ君「三十分くらいでようやく変わったんですが、看護師さんにかわったら一発で上手くいきました。僕が悪い訳じゃありません」
テラさん「……」
ソラ君「一つ言っておきますが、これは事実ですぜ。あの研修医はいつか、バナナの皮で滑らせてやろうと思っています。幼き子供の思い出でした」