忍者ブログ
日記
[309]  [308]  [307]  [306]  [305]  [304]  [303]  [302]  [301]  [300]  [299
           
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

           
 大学からの帰宅途中にお腹を下し、死ぬ思いで歩いていた。
 もう少しで、家、トイレだ。
 あと少しで。
 あとちょっと。
 それだけを心の支えに僕は頑張っていた。
 冷汗を滝のように流しつつも、その想いが僕を支えてくれた。
 無限にも思える時間を耐え抜いて家にたどり着き、震える指で何とか鍵を開く。ドアを開くのと同時に、ベルトを緩めながらズボンのチャックも下ろす。
 もはや、一秒という時間すら惜しい。
 トイレの扉を開いたのと同時に、ズボンはすとんと落ちる。
 そして、中にはとんでもない美少女がいた。
「きゃあー。変態!」
「え。は、はい。ごめんなさい」
 反射的に謝りながら、ばたん、とドアを閉める。
 しかし、追い詰められてコンセントレーションが最大限まで高められている僕は、コンマゼロ五の時間すら必要とせずに、この状況のおかしさに気付く。
 幸い少女はちゃんと衣服を着ており、ただ座っていただけだったため、再びばあんと勢い良くトイレのドアを開く。この間、一秒にも満たない時間であったため、少女には鍵をかける暇すら与えない。
「ちょ、何考えてんのよ、あんた!」
「異なことを言う。状況的には一人暮らしの男性の家に勝手に上がっている君のほうがおかしいだろう」
「わかった。わかったから、ズボン。ズボンくらいはいて」
 彼女は真っ赤な顔をして抗議の声を上げる。
 僕は穏やかな表情をして首を横に振った。
「それは無理だ。出来れば僕もズボンをはきたい。だけど、残念なことに、今の僕には上下運動をようするズボンをはきなおす時間も余力も残されていないんだ」
「だからって、女の子の前で――」
「君は僕のことを露出狂扱いをするのかい? 仕方あるまい。その称号は甘んじて受けよう。だが、その場所はどいてもらう!」
「嫌よ。あなたがズボンをはくまでここを絶対動かないんだから!」
 こちらがズボンをはかないことに腹をたてたのか、女の子も意地になって主張する。
 ズボンをはいて散るか、ズボンをはかずに散るかの二者択一。
 無論、そんな選択肢選べるはずもない。残り僅かな命でも精一杯輝かなければならないのだ。
 僕は獰猛な笑みを浮かべる。

 そう、戦いはまだ、始まったばかりだ。

 ……予断だが、パンツまで脱いでいなかったのはせめてもの救いだったのだろうか?

 いや、別にSSでもなんでもないですよ。すみませんが。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
<< 13 HOME 12 >>
     
カレンダー
     
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
     
リンク
     
     
フリーエリア
     
     
最新TB
     
     
プロフィール
     
HN:
テラさんとソラ君
年齢:
32
性別:
男性
誕生日:
1992/09/12
職業:
竹田
趣味:
田中
自己紹介:
このブログは、
主にトリニータの応援(比率9)
小説について(比率0.5)
日常(比率0.5)
くらいです。J2に落ちたせいでトリニータの情報が定期的に入ってこないのが最近の悩みの種orz
     
バーコード
     
     
RSS
     
     
ブログ内検索
     
     
カウンター
     
     
アクセス解析
     
忍者ブログ [PR]